2007年02月18日
核と拉致問題
【格物致知】 核と拉致問題山崎拓・自民党前副総裁という議員は、どうも私には理解し難い、えたいの知れない人間の範疇になっている。旧自民党3Kトリオで党の重鎮という以前からの概略は何となく小泉前首相、加藤紘一氏の議員資質と力量の識別からするとよく解らないというのが正直なところだ。
ところが、こと北朝鮮問題になると山崎拓議員の容姿が俄然、瑞々しい感性の持ち主に変貌したかのように感じられるから不思議である。人間像がくっきりしてくる。
先日、無事予定のスケジュールをこなした6カ国協議合意物語は、久々の各国笑みを称えての記念写真という枠組みが出来たが、どうも日本は不本意な例えにしろ喜ぶということをしない国民だということを印象付けた。もっとも板に付いてしまった麻生外務大臣は、そこは元オリンピック選手、各国との交流、外交の何たるかを心得たスタイルで対応してみせた。
問題の片面笑みともいかないしかめっ面の原因は、安倍首相御用達の拉致問題の進展が全く不発に終わったからだ。
以前から、核と拉致問題に関しては、与党ならびに野党陣営からも明快な歯切れよい発想の元で解決策への取り組みが率先されてきていないように思われる。しかし、1月訪朝で話題になった山崎拓氏は他の議員と全く違う迫力で北朝鮮問題に取り組んでいる。
一新されたホームページは「ファイト タク」になっている。また、中央公論3月号の「日本はバスに乗り遅れる」はタイトルが素晴らしい。ズバリ、「北朝鮮政策で米国が方針転換したことに、安倍政権は気づいていないのか。圧力だけでは拉致問題も解決せず、ひいては国益を損なうことになる。」は正解に尽きる。
17日の毎日新聞、『6カ国協議合意:こう考える/上 山崎拓・自民党前副総裁 非核化、最後の機会』は、インタビューに答えるという形で中央公論の論説を要約している。実に明確な主張になっている。『政府は拉致問題が前進しない限りエネルギー支援には参加しないとしているが、核問題と拉致問題は別だ。朝鮮半島の非核化の重要性は各国に共通している。日本独自の問題を上位に置くと、いずれ日本の孤立化を招くのではないか。・・・核問題が解決すれば、日朝平壌宣言に基づく日朝間の国交正常化交渉も行われ、拉致問題の進展にもつながる。支援せずに圧力をかけろというが、それでは拉致は解決しない。今の方法論で成功しないなら、政府は国民に対し責任を取るべきだ。』ときっぱり北朝鮮問題の政策論を言及している。
私のなかでえたいの知れない範疇の人物と書いたが、毅然とした政策論をもった議員として認識を新たにしなければならないと思った次第だ。そこで、現在の山崎拓氏の自民党での肩書きを見ることにした、安全保障調査会長になっている。ついでにと言っては失礼だが、山崎拓氏のホームページから安全保障論を読んでみた。安全保障私案の骨子は、自民党日本国としてよく出来た改憲安全保障論にまとまっている。私は感心している立ち位置ではないのだが、お美事、感服させられるとつい口が滑りそうである。
今の内閣は全く国際情勢を読み解く意欲、知力が欠如している以上に、間違った認識を呼び戻している。一つには時代錯誤の首相を選んでしまった自民党の誤策と国民の自民党と米国への甘え構造がもたらしたものとがある。そして、この状況を「日本はバスに乗り遅れる」がいみじくも端的に言い得ている。以前、女性同伴の講演旅行でひと悶着があり、ポマードで固めたヘアースタイルから想像も付かない人物ではあったが、今回の発言を受けて、ポマードで固める安全保障論理なるものが理解できた。と同時に小泉前首相、加藤紘一氏とは一味違った人物像を知ることができ安堵した、と言えば誉め過ぎかも知れないが。
山崎拓氏は、18日サンデー・プロジェクトに「核と拉致問題」について手嶋龍一氏と生出演している。タイトルは「検証 6カ国協議・日本のとるべき道は」で、正に山崎発言は話題になっていることの証拠でもある。「日本はバスに乗り遅れる」がやはりセンセーショナルなのだ。尤も、政府は訪朝事態を否定して、この発言を強行に無視する方針を貫いている。つまり、安倍首相の御株を奪うようなことをするなという訳なのだ。それ以外の何ものでもない。しかし、外交ジャナリストにしてみれば、国益を損なう2元外交をしてはならない、相手を優位な立場にするという常套句に終始する訳である。
捲し立て論調の手嶋龍一氏に対して、最近出番の少ない山崎氏は核と拉致分離論をきっちりと説明できないままに、「日本はバスに乗り遅れる」発言について不適切、非を認める発言をポロリと発してしまった。この発言を巡って、国会周辺からの厳しい批判に晒されている、また、マスコミ等での取り上げ方を気にしていた、そこへサンデー・プロジェクト空気(静まりかえる)と捲し立て手嶋論評に圧倒される容でのポロリ発言になったものと思われる。やはり、誉め過ぎかも知れない。
だからに戻るが、山崎拓氏についてはえたいの知れない人間の範疇になってしまうのである。どうも03年9月の落選から、選挙民の反応を気にし過ぎると見て取れる態度であった。
本日の「日曜討論」での「核と拉致」分離主張と一元化主張では、一元化主張の中西輝政氏の論調に澱みと解決策への過程説明が十分展開されなかった。それに比べて、以前からNHKの番組でも「拉致問題より核問題の方がずっと重大だ」と主張していた伊豆見元氏の「核と拉致」は別問題発言による具体性ある論調が勝っていた。
山崎拓さん、しっかりしてよ。
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■【国内】
★6カ国協議合意:山崎拓前副総裁・非核化、最後の機会(毎日MSN)
★首相、山崎拓氏の「バスに乗り遅れる」発言を批判(アサヒコム)
★常任理入りなら武力行使参加を=米超党派政策提(時事通信社)
★国連武力制裁へ日本の参加促す…アーミテージ報告(読売ライン)
□【イラク関連】
☆イラク:国内避難民100万人増 宗派抗争激化で−−IOM推計(毎日MSN)
☆イラク・アフガン支援、米が日本に一層の貢献要請へ(読売ライン)