労働ビッグバン

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□■ 平和の声 通信  NO321   2007年1月13日       
■□ 本日の話題  ⇒ 搾取   
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八代尚弘 I N D E X
★★【格物致知】 労働ビッグバン
労働市場改革:正社員待遇を非正規社員水準へ 八代氏示す(毎日MNS)
八代尚宏(ウィキペディア)
経財諮問会議 国債発行の大幅減額了承 「労働ビッグバン」も議論開始
革命的労働ビッグバン主義者万歳!(濱口桂一郎)
EU労働法政策雑記帳
私の主張4 :民営化・規制緩和は社会主義への前進!(松田匡)
労働ビッグバン 何のための改革なのか(中国新聞)
労働ビッグバンに連合会長が懸念 首相と会談(アサヒコム)
労組の組織率、最低18.2% パートは3割増(アサヒコム)
「社員いじめ」撃退法(読売オンライン)
労働法制改悪反対(しんぶん赤旗)
経済財政諮問会議ホームページ
経済財政諮問会議に関するご意見・ご感想
■国民の9割がワーキングプアになる(日刊ゲンダイ)
■「正社員待遇を非正社員並みに」《経財諮問会議》八代氏トンデモ発言

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【格物致知】 労働ビッグバン
最近、政府筋の委員会で真面な意見が出始めている。相変わらず問題ありの教育再生会議の野依良治座長は「塾は禁止」と再三繰り返し発言を行なっている(第1次報告書の原案には記載されていない)。また、経済財政諮問会議では八代尚宏委員は 昨年12月18日、労働市場改革についてのシンポジウムで、企業内の格差是正のためには「正社員の待遇を非正規社員の水準に合わせることも必要だ」、さらに、「既得権を持っている大企業の正社員が、非正規社員や下請け企業の労働者などの弱者をダシにしている面がかなりある」と発言している。
「弱者をダシにしている面がかなりある」は経済連、マスコミ等から直ちに大胆発言と揶揄されたが、非正社員問題が一般的格差問題から「身分格差」に深化しつつある現状において、どの程度「ダシ」にしているかを論議、話題に値する貴重な発言と言えるものである。多分この八代発言を受けてだと思われる、28日朝日新聞はオピニオン欄一面で当人からの展望(対談・労働ビッグバン)を掲載している。再び「労働ビッグバン」について論議する気運になればさらに望ましいことである。しかし、既に「労働ビッグバン」については、経済連の鶴の一声で掻き消されてしまっている。ご承知のように、経団連会長が御手洗氏になり、政党への献金奨励策等、政府との二人三脚が際立つようになってきている。

企業のグローバル競争から、正常な時間推移による緩やかな成長路線が望めなくなった企業の生き残り戦略としての「労働ビッグバン」は、日本の高度成長時に蔓延った豊かさ、中流意識による安堵感がもたらした日本流保守主義が労働者自身を代表するようになった結末が招いたとも言える。既に労働組合の組織低下と空洞化は、経営陣の思う壺になっている。労働者一個人の自信は敢え無く、束の間のお楽しみで、今やまな板の鯉、自信喪失の萎縮状態を余儀なくされている。しかし、国、会社、神頼みは変わらず、もはや組合を必要としない。その現実が組織率18.2%という数字が物語っている。これに拍車を掛けているのが10年前に遡るパート労働者との確執問題である。即ち、「身分格差」の問題はずっと引きずっていたのである。「差別」という厄介な言葉を抹消して系列化してきた労働市場で避けてきた組合自体の問題が大きい。そして、今日の体たらくは、自民党雇用調査会から、格差問題が深刻に論じられ、後藤田正純事務局長から労組の消滅を訝しがられるという事態までになってしまっている。各労組幹部の責任は重い。これは、既に03年経団連奥田碩前会長の「労働組合運動が内部から自壊する危機にひんしている」との指摘どおりである。

ところで、どの程度の「ダシ」かについては、発言以後、緘口令の嫌いである。どうも八代氏発言の「既得権」という言葉が引き金になっているようだ。身に覚えのある方なら殆どこの言葉はタブーとして余り論じて欲しくない権益話しである。公務員と正社員はこの「既得権」を頼りに労働に従事していると自己確信している節がある為か、今の自己聖域を弄くられることは、仕事での労苦は兎も角として、耐えられないことのようだ。要するに、何の為に辛抱、苦労してきたのかということだ。そして、この正社員労働者の結集が「ホワイトカラー・エグゼンプション」(労働時間規制の撤廃)に対する連合会長の「反対貫き通す」となって実現している。その決意は「蟷螂の斧」ということらしいので、自民党内での参院選対策の労働ビッグバン反対と符合してこれもお蔵入りするかも知れない。自民党にとっては、選挙前に格差問題の傷口をこれ以上広げると勝てないという危機感から一旦はお預けの選択肢ということだろう。
 何れにせよ、日本人は問題を是正する方法論として、無かった話での白紙というのは特異であるが、風呂敷包みを開き全てを隠さず見せる、白紙に戻して検討するといった大鉈を振う方法は苦手のようである。今までの「既得権」の喪失が直ぐに脳裏を過るからだろう。

 パンドラの箱を誰がどのように開けるかが問題である。外資系企業と成長した御手洗経団連会長の鼻息は荒い、しかし、政府は強気だが、参議院選を控え敢えて、てぐすねひく野党の餌食になる展開は避けて、飽く迄も議論であり法案提出に止めるだろう。また、議論にしても、政府案の対象者所得900百万以上に対して、経団連の400百万以上とする金額の差額は段違い論である。しかしながら、同時に導入される対象外労働者の残業代割増率引き上げ問題は格差是正の目玉論で先送りも限度がある。ついでに公明党太田代表の、常に煮ても焼いても食えない表明に終始する発言を紹介しておこう、「働いている方たちの感情、心情もあるし、拙速になってはならない」。

「同一労働同一賃金」という「正義」を実現するために
 上記のスローガンを掲げているブログを読むことができたので少し言及する。
濱口桂一郎氏のタイトル、革命的労働ビッグバン主義者万歳!「全ての革命的な労働者学生諸君は一致団結して八代先生とともに労働ビッグバンを実現すべく闘おうではありませんか!」というものだ。
大鉈を振るう主張、覚悟を改革を目指した発想で真摯な意見だと賛同したい。しかし、ここで紹介されている松田匡氏のマルクス主義論「民営化・規制緩和は社会主義への前進」だという発想が直ちに現在的状況に飛翔できるかはやや疑問視を抱かざるを得ない。松田氏の掛け声も理解できるので、少し紹介しておく、「ここで現在のマルクス主義者が打ち出すべき方針は、150年前にマルクスが打ち出した方針と同じである。今日進行する熟練の解体、脱国家化、世界統合、会社その他の集団共同体の解体といった傾向に対して、これに逆行する方向で対応するのではなく、これらの傾向を積極的に引き受け、むしろ資本家達が旧体制との妥協に走って改革を中途半端なものにしがちなのを踏み越えて、一層徹底的にこの傾向を押し進めなければならない。そしてこの傾向がムキダシの資本主義によってもたらされるために引き起こされる様々な悲惨に対しては、職場を超え、階層を超え、産業を超え、国や民族を超えた労働者、民衆の団結によって、激しく闘っていかなければならない。」という、正に左翼の保守性を厳しく糾弾したものと思われるが、現在日本の労働者精神状況、一つに組合の組織率を見ても、今年6月現在で18.2%と31年連続の組織率の低下が報告されている。また、9条改憲は時代の流れと是認したのも低下しきった組織率の悪足掻きの結果といえる現状である。これだけを取ってみても、すんなり掛け声どおりに行かなくなっているのが現状である。
従って、この現実を謙虚に受け止め、机上論化した今日の変革を現実のものとする為の展望を持ちたいと考えるのは極普通のことであろう。但し、ここで論じられているマルクス主義者の展望、「現状を反動の一世紀の終焉として祝うべきもの」としての認識を共有するには、喉元までということにはならないか。従って、変質したかも知れない「労働者、民衆」の定義を根底から堀越し、プロレタリアとサラリーマンのニュアンスを明確に認識しなければならない状況を直視することによって、「団結」の意味を噛み締める時期だと考える。

何れにせよ、八代氏の「労働ビッグバン」論議からマルクス主義的展望論が出てきたことは喜ばしい限りである。今後の経済財政諮問会議での八代委員の発言に注目して、「ホワイトカラー・エグゼンプション」論議を見守りたい。この論議には変革を可能にするマグマが秘められている。私達、サラリーマンの揺さぶりに因ってこのマグマを地上に蔓延させることは十分現実味のある話だし、そうしなければならない。

 追記
 「社員いじめ」撃退法(読売オンライン)、タイトル「サラリーマン受難の07年」の特集で「ホワイトカラー・エグゼンプション」論議の要が解説されている。企業が狙う「定額働かせ放題」、「お金さえ払えば解雇できる?」等の具体例が説明されているので参考にお読みください。

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日刊ゲンダイ 2006年12月23日号 -2 【転載厳禁】
─【日本経済一歩先の真相(高橋乗宣・相愛大学学長)】─ 連載
▼ 経済の平準化力学を無視した成長見通し ──
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国民の9割がワーキングプアになる

 今年度の経済見通しが下方修正された。7月の内閣府試算は実質成長率2.1%、名目成長率2.2%だったが、夏以降の個人消費の鈍化などから実質1.9%、名目1.5%に改められた。与党が公約としていた名目2%の成長は達成できず、今年度を目標にしていた名実逆転の解消も1年先送りされることになった。「いざなぎ超え」と浮かれていても、この程度である。
 それでも政府は来年度見通しを実質2.0%、名目2.2%とした。設備投資の伸びは今年度に比べて半減するものの、個人消費が0.9%から1.6%に急増するというのである。
 自民党の中川秀直幹事長などは、上げ潮路線で3%成長も可能と言っている。政府見通しでさえ悲観的というわけだが、さすがに日本経済が置かれている状況を勘違いしているのではないかと心配になってくる。経済というのは圏内で平準化が起きるものだ。高度経済成長を達成した日本が一億総中流時代を迎えたのも、平準化の原理が絵に描いたように作用した結果である。
 ところが、今の日本列島は、単一の経済圏にない。経済の面では国境という垣根が取り払われるグローバル化が進展しているのだ。こうなってくると地球規模での平準化の力学が働くようになる。日本のGDPが世界の下位クラスにあるなら、平準化によって経済は引き上げられ、所得も増えるだろう。しかし、残念ながら日本は、世界でもトップクラスの経済大国になっている。
 平準化の圧力は日本企業を押し潰そうとする。その中で生き残るには、コストを切りつめていくしかないのだ。従業員の所得はちっとも上がらなくなる。むしろ、どんどん減らされて、一部の富裕層を除く9割がワーキングプアという姿になるのだ。
 そんな悲惨な状況に直面しているにもかかわらず、個人消費が成長を牽引するシナリオはリアリティーに欠ける。企業が業績アップ→所得が増える→家計が潤う→消費が活発になる、というループは完全に切れてしまった。設備投資の伸びも期待できなくなった今、内需主導の景気拡大は期待できなくなっているからだ。上げ潮路線で3%成長はもちろん、政府が描く2%成長も並大抵のことでは達成で
きないだろう。

日刊ゲンダイ Dailymail Business 2006年12月20日号 -1
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■ いい加減にしろよ!
「正社員待遇を非正社員並みに」《経財諮問会議》八代氏トンデモ発言
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 安倍内閣の経済財政諮問会議の民間メンバーである八代尚宏・国際基督教大教授が、とんでもないことを言い出した。
 18日、内閣府の労働市場改革についてのシンポジウムで、企業内の格差是正のためには「正社員の待遇を非正規社員の水準に合わせることも必要だ」と発言した。八代氏は、国際競争にさらされている企業が人件費を圧縮している中で、派遣など非正規社員の待遇を正社員に合わせるだけでは「同一労働・同一賃金」を達成するのは無理と指摘。それには正社員の待遇を非正規社員並みに引き下げることも必要と逆のことを言ってのけた。
 また、小泉政権の規制緩和によって格差が拡大したとの見方を真っ向から否定。その背景に「既得権を持っている大企業の正社員が、非正規社員や下請け企業の労働者などの弱者をダシにしている面がかなりある」などと強弁した。「労働ビッグバン」を提唱する八代氏は、近く諮問会議の労働市場改革専門調査会会長に就任するというが、こんな考えの持ち主が「格差」を論じる責任者で大丈夫なの
か。

─【この会社の人と事件(上村 覚)】─ 連載
「郵政民営化」と同じ構図に 財界が狙う「労働ビッグバン」
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◆ 学者と財界人がタッグ ◆

 経済財政諮問会議の八代尚宏議員の発言が波紋を呼んでいる。12月18日、内閣府のシンポジウムで「既得権を持っている大企業の労働者が、非正規社員など弱者をだしにしている」と明言した。
 この言葉が、来年の通常国会で安倍政権が成立を目指す「改正労働法」の本質を物語っているからだ。八代氏をよく知る関係者が語る。
「八代さんは、専業主婦を一般的とする日本のサラリーマン家庭をおかしいと考えています。そこで正社員の給与や待遇を非正社員に合わせる形で引き下げ、共働きを前提とした社会にしようとしています。既得権となっている“働かない正社員”を解雇しやすくして、やる気のある新しい社員や非正規社員を雇いやすくすれば、雇用は流動化するという考え方です」
 問題は、この八代氏に財界が便乗しようとしていることだ。「同じく経済財政諮問会議の民間議員であり、経団連会長の御手洗冨士夫・キヤノン会長は、労働時間規制撤廃や解雇の柔軟化など八代氏が唱える『労働ビッグバン』を切望している。サービス残業の摘発を恐れることなく従業員をこき使え、経営陣に逆らう者は簡単に切れるからです。学者と財界とが『呉越同舟』したようなものです」(労働組合幹部)
 小泉政権時代、学者と財界人がタッグを組んで「小泉改革」を推し進めたのと同じ構図だ。自民党が猛反発しているのも、ソックリである。自民党は「雇用・生活調査会」を発足させ、八代氏の暴走を止めようとしている。
自民党幹部が語る。「川崎二郎前厚労相をはじめ自民党内では、八代氏を『米国かぶれの偽学者』とこき下ろし、クビをとりにいく勢いです。労働ビッグバンなどやらせたら格差がますます広がり、来年の参院選に勝てないと危機感は相当です」「郵政改革」との違いは、「労働ビッグバン」は全国のサラリーマンの生活がかかっていることだ。どう決着するのか。


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